「ChatGPTで名刺を作ったので、これを印刷してほしい」。名刺エキスプレスの店頭でも、生成AIで作った名刺データのご相談がとても増えています。AIを使えば、デザインの案はすぐに手に入ります。ところが、そのデータをそのまま印刷すると、思った仕上がりにならないことが少なくありません。
この記事では、店頭でよくいただくご相談をもとに、AIで作った名刺データの注意点と、きれいに印刷するための準備のしかたを紹介します。ChatGPTやGeminiに頼むときのプロンプト(指示文)の例も載せています。
店頭でよくあるAIデータのご相談
1. 名刺の端に、白いすき間が出た
原因:塗り足しがない
2. 端の文字やロゴが切れた
原因:文字が名刺の端に寄りすぎている
3. ぼやけて印刷された
原因:画像の解像度が足りない
4. 文字の形がおかしい、誤字がある
原因:AIが文字を「絵」として描いている
5. 画面より色がくすんだ
原因:画面の色(RGB)と印刷の色(CMYK)の違い
どれも、AIが「画面で見るための画像」を作っていることが原因です。印刷用のデータには、画面用の画像にはないルールがあります。
印刷用データの4つのルール
1. 塗り足しをつけて、94mm×58mmで作る
名刺は、少し大きめに印刷してから断裁して仕上げます。断裁では、紙の伸び縮みや機械の動きで1〜2mmほどのズレが必ず出ます。そのため、仕上がりサイズ(91mm×55mm)より大きい94mm×58mmでデータを作り、背景の色や写真をいちばん外側まで広げておきます。これが「塗り足し」です。
2. 文字やロゴは、断裁の線から3mm以上内側に
切れては困る文字やロゴは、断裁の線から3mm以上内側に配置します。AIの画像は、端ぎりぎりまで文字を置いていることが多いので注意が必要です。
3. 画像は原寸で300dpi以上
94mm×58mmのデータを300dpiで印刷するには、約1,110×685ピクセル以上の画像が必要です。スクリーンショットや、SNSに投稿して小さくなった画像は、解像度が足りないことがよくあります。AIが作った元の画像を使いましょう。
4. 文字は画像に描かせない
AIが画像の中に描いた文字は、文字ではなく絵の一部です。小さな文字は形が崩れやすく、電話番号の数字が1つだけ違う、といった誤りも起こります。しかも、あとから1文字だけ直すことができません。名前や連絡先は、画像とは別に、文字として入力するのが確実です。
AIのデザインを名刺にする、3つの方法
方法1:AIは背景だけ。文字は店頭で入れる
デザインソフトを持っていない方に、いちばんおすすめの方法です。AIには文字のない背景やイラストだけを作ってもらい、名前や連絡先は店頭で入力します。
- お客様が入力フォームに文字を入力し、スタッフと一緒に確認しながら仕上げる対面校正:1面あたり1,500円〜(税別)
- お持ちいただいたメモなどをもとに、スタッフが文字を入力する対面校正:1面あたり3,240円〜(税込)
スタッフが塗り足しや文字の位置を確認しながら仕上げるので、印刷のルールを知らなくても安心です。
方法2:Illustratorで完全データにする
Illustratorを使える方は、AIで作った画像を当社のテンプレートに配置して、完全データに仕上げることができます。
- 当社指定のテンプレートを使い、94mm×58mmぴったりで作成する
- カラーモードはCMYKにする
- 配置した画像はすべて埋め込む
- 文字はすべてアウトライン化する
詳しくはIllustratorでのデータ作成方法をご覧ください。テンプレートは名刺テンプレートデータからダウンロードできます。
方法3:WordやPowerPointで仕上げる
WordやPowerPointに慣れている方は、AIの画像を背景に配置して、文字を入力する方法もあります。グリッド線とガイド線を表示して、その内側に文字を収めましょう。PDFにするときは、「名前を付けて保存」でPDFを選んで保存してください。詳しくはWord・PowerPointでのデータ作成方法をご覧ください。
ChatGPT・Gemini・Claudeの使い分け
| AI | 得意なこと | 名刺づくりでの使いどころ |
|---|---|---|
| ChatGPT | 「ChatGPT Images 2.0」(2026年4月公開)で画像を生成。日本語の文字の描画が改善され、縦横比は3:1〜1:3に対応 | 背景やイラストを、会話しながら少しずつ修正したいとき |
| Gemini | 「Nano Banana 2」(2026年2月公開)で画像を生成。最大4Kの解像度と、14種類の縦横比に対応 | 解像度の高い背景画像を作りたいとき |
| Claude | 文章の整理や、プログラムを書くのが得意(画像そのものは描かない) | 名刺に載せる文言の整理や、画像のサイズを整えるプログラムづくり |
※2026年10月時点の情報です。AIの機能は頻繁に変わるため、最新の情報は各サービスでご確認ください。
印刷しやすい画像を作るプロンプト例
AIに背景画像を頼むときは、次のように「文字を入れない」「文字をのせる場所を空ける」「大事なものを端に置かない」を必ず伝えましょう。
名刺の背景に使う画像を作ってください。
・横長で、縦横比は 94:58(約1.6:1)
・文字、ロゴ、数字は一切入れない
・右半分に名前と連絡先をのせるので、右側は無地に近い明るい色に
・左側に、業種に合ったイラストを1つ
・大事なモチーフは、画像の端から1割以上内側に
・業種:美容室 イメージ:やわらかい、ナチュラル、ベージュとグリーン
・できるだけ高い解像度で
- ChatGPTなら:できあがった画像に「イラストをもう少し小さく」「色をもう少し明るく」と続けて頼めば、会話で修正できます。
- Geminiなら:「4Kで」と解像度も指定すると、印刷に余裕のある大きな画像になります。
名刺に載せる文言も、AIに整理してもらうと便利です。
〇〇(仕事内容)の名刺に載せる内容を整理してください。
・表面と裏面に分けて
・キャッチコピーを3案(15文字以内)
・載せたい情報:店名、氏名、住所、電話番号、営業時間、InstagramのURL
・91mm×55mmの名刺なので、詰め込みすぎないように
AIが書いた電話番号や住所は、勝手に書き換わっていないか、必ずご自身で確認してください。
上級編:画像を名刺サイズに整えるプログラム
AIの画像を94:58の比率に切り抜き、印刷に必要な解像度があるかをチェックするPythonのプログラムです。ChatGPTやClaudeなら、画像と一緒にこのプログラムを渡して「実行して、できたファイルをください」と頼むと、その場で実行してくれます。Geminiで作った画像は、Google Colabなどで実行できます。
from PIL import Image
import sys
DOC_W, DOC_H = 94, 58 # 塗り足し込みのサイズ mm
DPI = 350
img = Image.open(sys.argv[1]).convert("RGB")
# 94:58 の比率に中央で切り抜く
ratio = DOC_W / DOC_H
w, h = img.size
if w / h > ratio:
nw = round(h * ratio); x = (w - nw) // 2
img = img.crop((x, 0, x + nw, h))
else:
nh = round(w / ratio); y = (h - nh) // 2
img = img.crop((0, y, w, y + nh))
# 解像度のチェック
dpi = img.width / (DOC_W / 25.4)
print(f"印刷時の解像度:約{dpi:.0f}dpi")
if dpi < 300:
print("300dpi未満です。印刷でぼやける可能性があります。")
# 350dpi相当のサイズで保存
size = (round(DOC_W / 25.4 * DPI), round(DOC_H / 25.4 * DPI))
img.resize(size, Image.LANCZOS).save("meishi_back.png", dpi=(DPI, DPI))
AIで名刺を作るときの注意点
- 実在のロゴやキャラクターに似せない:有名なブランドや作品に似た画像は、権利の問題につながるおそれがあります。
- 商用利用の条件を確認する:生成した画像を仕事で使えるかどうかは、サービスやプランによって異なります。
- 色は試し刷りで確認する:色の再現は、店舗や気温・湿度によっても変わります。色にこだわりたい場合は、色校正のオプションをご利用ください。
お急ぎの方も、まずはご相談ください
名刺エキスプレスは、大阪の吹田本店(JR吹田駅前)、船場本町店、大阪駅前梅田店の3店舗で、最短15分の超特急名刺印刷を行っています(版下の作成時間は含みません)。AIで作ったデータが印刷に使えるかどうかわからない場合も、お気軽にご相談ください。
ご来店の際は、来店予約をしておくとスムーズです。店舗の場所や営業時間は店舗案内をご覧ください。
※内容は2026年10月時点の情報です。
よくある質問
Q. ChatGPTで作った名刺の画像を、そのまま印刷できますか?
印刷はできますが、塗り足しがない、文字が端に寄りすぎている、解像度が足りないなどの理由で、きれいに仕上がらないことが多くあります。画像は背景だけに使い、文字は別に入力する方法がおすすめです。
Q. AIの画像に、名前や電話番号も入れてもらっていいですか?
おすすめしません。AIが描いた文字は絵の一部なので、小さい文字が崩れたり誤字が混ざったりしやすく、あとから直すこともできません。
Q. 名刺の画像には、何ピクセル必要ですか?
塗り足しを含めた94mm×58mmを300dpiで印刷する場合、約1,110×685ピクセル以上が必要です。
Q. AIで作ったデータでも、当日中に名刺を受け取れますか?
超特急名刺印刷は、最短15分で仕上げます(版下の作成時間は含みません)。データの状態や当日の混み具合によって時間が変わることがありますので、まずはお電話や来店予約でご相談ください。



